投稿日:2012-01-16 Mon
4月に法改正を迎え医療や、介護の考え方が、大きく変わろうとしています。今ここで新年度に向かって重度化について、いま一度皆さんと考えてみたいと思います。ご本人のお元気な時に考えられていた、終末に対する希望が、本当に反映されているのか、いつの間にか、その思いが、風化されて、違う方向に流れて行っていないかを確かめたく考えをまとめてみました。
12月15日の朝日新聞のトップに「人工栄養 中止認める案」という記事が掲載されていました。厚生労働省が、4月にも指針を出すそうですが、「生命維持の効果が少なく、患者に苦痛があるだけの場合、導入せず自然な死を迎える選択肢もあることを患者本人や、家族に対し、導入後に中止や、減量が、出来ることも盛り込んだ。」とあります。
今までも胃瘻造設を拒否して、ちくりんの里で最期をという家族や、ご本人の意思で自然な最期を選択された事例が沢山ありますが、法律において、バックアップされていませんでしたので、この選択肢については、非常に慎重ならざる負えない状況でしたし、今後、法改正があり法整備されたとしても減量についての責任の所在を、問われる議論が出るのは必須です。
今わたし達に問われている課題は、ご本人の望まれる最期を風化させないで送っていただくことにあると思いますが。今後の動向が気になるところです。
もちろん、家族様によって、ギリギリのところで動揺され、考え方が変化することが考えられます。それはそれで、大切な選択であると思います。
ある入居者は、ここで看取られた方を見て、自分もここで、送られたい旨を遺言として私に預け、何度も確認をされに来られます。私たちは、この三つの選択を明らかにしたうえで、ケアプランやサービス提供に関わる方向性を見出す事を基本線としたいと思います。
施設長 片村 元
投稿日:2012-01-11 Wed
今回の研修では「相手の精神面への配慮、相手の観察」を主題とし、それを行う為にはどういった事を大切にするのか、を伝えたかった。事前に配布したアンケートに上がった質問を分析した結果、質問の質に幅があると感じた。PC入力等現在のやり方に関する疑問や要望、もっとこうした方がいいのでは?(ex:下剤に頼らない排便コントロールなど)という声もあれば、パッドの種類や排尿量という今までに配布した事のある内容や、入居者に合うパッドの選び方や夜間帯パッド交換の優先するものは睡眠か清潔か?といったものや、技術に関するものまで多岐に渡った。
これらの質問を受け、どこに焦点を絞るべきかを考えた。
全体的な傾向としては、「具体的な技術」を知りたいように感じた。
しかし、それと共に「入居者を観察する事」や「相手の気持ちを考える」と言った相手の視点に立てば答えが見つかる物も多く見られた。具体的な技術だけ伝えて良い物か、何かワンクッション挟むべきではないだろうか、と感じた。
相手の視点で見る、とは言葉にすれば簡単だが、実践するのは難しい。自分が今相手の立場に立てているか?と尋ねられたとしよう。例え日ごろから注意して相手の立場で考えていたとしても、相手にとってはそれがどう映っているかはわからない。相手の状態を観察し「自分ならこう感じる」と思い行動していても、実際に相手がどう感じているかはわからない。自分の中で「出来ている」と評価する事が問題である、とは言わないが、「出来ている」と思うと同時に「果たして本当にそうなのか?」という疑問も持っておかねば、いずれ慢心や思い込みに繋がるのではないか、と思う。
この状態は相手を結果として置き去りにしてしまう。
先の質問を上げた方々が日ごろ相手の視点に立って考えているかどうかはわからない。だが、相手を観察する上でのポイントで抜けている、あるいは見落としている見方があるのではないか、と感じた。
それが最後にまとめとして出した、「現象ではなく原因を見る事」だ。
現象は今起きているのだから良く目につく。深く考えてみなければ、根本を見逃す事はよくあると思う。日々の業務の中でも、立ち止まって振り返らなければ原因が見えない、もしくは問題として見るべき場所がわからなくなる。
原因には相手の身体的なもの、心理的なもの、環境的なものに分けられると思う。表面的な問題のみに視点を置くと、身体的もしくは環境的な原因には気づけるが、心理的なものには気づきにくい。そこに気づくには、自分がもし相手と同じ状態だったら、と考える事が必要となる。
業務があり時間に追われてそれが出来ない、という理由も出るかも知れない。
だが、ユニットケアは個別ケアの為のツールである。個別ケアは、その人にとって必要なケアを行う事だ。日々の業務を消化していくだけの状態は、ユニットケアという殻を纏った作業的な物に見える。排泄の時間を決める際は個々に合わせていても、その後考えずにその時間通りに行っていては、個別ケアをしているとは言えないのではないか。
今行っている日々の業務は、本来何の為であったのか。
それを踏まえれば、「時間がないからできない」ではなく「今の環境で出来るようにするにはどうすればいいか」と考える事になり、良い循環になるのではないかと思う。
自分は人に何かを教えられるほどに優れた人間ではない。だから、あなたたちはこういう事をするべきです、と言った事は言えない。
だが、それでも自分の思いを伝える事は出来るのではないか。
介助は全て繋がっていると考えている。その為、排泄の研修であると同時に介護そのもの、「人」に関わる際に共通して必要なのではないか、と自分が思っている事を伝えたかった。出来ている人は今後もそれを継続する、出来ていないと感じた人は今後改めればいい。大事なものは「今」だけではなく「今後」である。そして「今後」を考える為に、「過去」から学び「今」を見直す必要があると思う。今回の研修が、原点に戻り今後のケアについて考える際の、何かのきっかけになれば幸いである。
介護スタッフ 青木雅幸
投稿日:2011-10-26 Wed
ユニット型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(老人福祉法省令)第三三条(基本方針)ユニット型特別養護老人ホームは、入居者一人一人の意思及び人格を尊重し、入居者へのサービス提供に関する計画に基づき、その居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるように配慮しながら、各ユニットにおいて入居者が、相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。
この法令は私たちが、進むべき道標(みちしるべ)が明確に、記されています。
特に、居宅との連続と、自律した日常生活の意味するところは、一人一人が、今までの暮らしの延長線上で、自律(自立との違いに注意…誰からも支配、制約を受けないで行動するという意味)的な生活支援つまり個別ケアの具体的意味を述べている。つまり、集団処遇に警笛を鳴らしている。しかし現実では、ユニット型であっても個別ケアをしているとは限らないし、従来型施設であっても目指すところは同じであるはずである。
五月に吹田市の特別養護老人ホーム連絡協議会から、個別ケアの研修をしていただけないかとの打診がありました。私たちが研修をするとしたら、ユニット型施設のための研修ですが、吹田には、個別ケアを目指す尊敬すべき多床室の施設もあります。私たちと同じみちしるべを共有するために、研修をすることを計画しました。
十月の十九日吹田の特養十二施設のリーダーや相談員、施設長が、三十四人、ちくりんの里に集まり、事前課題をまず提出して頂きました。その中には、「利用者さんを一人の人格として見ていく、その視点を以って個別ケアに取り組みたいが、大勢の中の利用者さんと思っている職員への意識改革をどうすれば良いか、生活全体をバランス良くケアしていくことが、難しい。」という現実を訴える研修生がいました。事前課題の評価をした後で、DVDの鑑賞、次に三つのグループに分けて施設見学をし、午後から、中山相談員が座学で三大介護(食事、入浴、排せつ)を中心とした個別ケアを学んだ。二部にわたり、グループワークと発表があり、とても有意義な学びとなりました。二月には、同じメンバーで京都の二施設の見学をさせて頂ます。そこで更に個別ケアについて考えてみたいと思います。
投稿日:2011-10-18 Tue
医療を必要とする高齢者の短期入所受け入れについての地域ケア会議に対して(今回の企画の感謝)
今回、吹田市の特養が、このテーマで集まり、学ぶ機会が、与えられたことに感謝いたします。また、吹田市長まで来てくださり、沢山の来場者は、このことへの関心の深さ示していると思います。様々な立場の発表があり、それに対してのQ&Aがなされた事が大変興味深く思いました。
(発表について)
家族からのニーズをケアマネが拾い出し、訪看や、特養、行政からの考え方や、立場をうかがいました。
(聞きたかった発表について)
特別養護老人ホームの施設長が、ヘルパーさんの発表もあったほうがよかった。とありましたが、地元、吹田市の行政がパネラーとして出ていただき、今後の方向性を探っていければ、もっと良かったと思います。今回は、それぞれの考え方の発表にとどまり、次のステップに続くための方向性が、見えないまま終わってしまったような気がしました。
(Q&Aについて)
今回のテーマ焦点を考えるとき、質問を考える時間がわずかであったため、内容がずれていたような気がいたします。
(この問題点の整理)
○ 医療的ケアが必要な方への受け皿が、少ない
○ 特別養護老人ホームの医療的ケア諸問題
1. 夜間の医療従事者の不在、法改正と介護従事者に対する医療研修の実施
2. 短期のリスク(感染症への不安等)
3. 施設内での重度化に対する対応が多くなってきている
4. 現行法での許容範囲、等
(今回のケア会議での考えるべき焦点)
特養の医療的受け入れが、困難であるという現実に対して行政がどのようにサポート体制を構築するか。現段階では、高齢者の24Hの医療的支援は、施設よりも在宅のほうが、地域の医療体制が整った状況であります。施設にあっても、在宅と同じ支援体制であれば、受け入れが、可能になるのではないでしょうか。また、老健や今回会場を提供してくださった済生会吹田と松風園という特殊な恵まれた状況にない殆どの施設において丸投げを受け入れる状況に到達していないと認めざる負えません。夜間時の、医療体制をどのように整備できるかが、今回のケア会議の焦点だと思います。訪看が利益がないとのことですが、そこを行政に協力頂いて連携、ネットワークが整って動くシステムを構築していくことが出来ないでしょうか?横浜は、4床確保で20%の稼働率でも、支援体制を続けておられるとのこと、吹田にあっては、十分の一の規模財政ですから、もっと適時打が要求されると思います。医療的ケアが必要な人を受け入れる体制を考え実行することによってはじめて福祉のまち吹田と言えると思います。
片村 元
投稿日:2011-09-12 Mon

ちくりんの里では、毎月第1水曜日に全体研修が、行われています。ちくりんのHP上の、研修報告でもそのアウトラインをアップしていますが、その中の「認知症の研修」に焦点を当て、より多くの方に共有をしていただきたく全掲載させていただきました。
9月7日 全体研修 発表者 釜野 志穂
5月から7月にかけて9日間、認知症の研修を受けてきました。
認知症高齢者について、さまざまな方面から関わり方を勉強し、自分のこれまでの仕事のあり方を見直す日々でした。その中で印象に残り、皆さんにもぜひ伝えたいと思ったことを報告したいと思います。
初めに皆さんにお聞きします。「手応えのある生活」と聞いて、皆さんはどんな生活を思い浮かべますか?
「手応えのある生活を送りたい」 これは実際に、講師の施設の入居者さんが言った言葉です。
この、手応えのある生活というのは、一人一人違うものだと思います。認知症があろうが無かろうが、誰もが願う「手応えのある生活」。その方にとっての、手応えのある生活とはどんなものなのか。
これを考え支援していくことが、私たち介護者の大事な仕事になり、また施設の入居者に、手応えのある生活を送っていただくために、私たちは欠かせない存在です。
パーソンセンタードケアという言葉をご存じですか?日本語に訳すとその人を中心としたケア。
現在の認知症介護では、これがとても重要視されています。つまり、9人ユニットなら9人それぞれを中心としたケア。施設では、きれいごとだけでは行えないこともたくさんあると思います。ですが、ちくりんの里の目指す個別ケアとはこのパーソンセンタードケアと同じだと思います。
どれだけ認知症の人の気持ちに寄り添い付き合えるか、私たちは認知症の人の人生の伴走者であり、100%その方を理解することはもちろんできませんが、理解しようとする「姿勢」こそが大切になります。
「認知症」の人から認知症の「人」へ
研修中にこの文章が何度も出てきました。同じ意味の言葉ですが、着目点を変えること。認知症の人を一人の人として見る。認知能力だけを見ずにその人全体を見ることを意味しています。
私達は問題行動からその方のことを見がちです。例えば皆さん、「この人は認知症だから問題行動を起こしても仕方ない」と思ったことはありませんか?
問題行動を起こしている○○さんでなく、問題行動せざるを得ない○○さんの気持ちを考えてみませんか?
今起きている問題は私たちに原因がないかどうか常に振り返ること、また暴力のあるAさん、徘徊のあるBさんなどと固定的な観念や先入観で認知症の人を決めつけないこと。これもパーソンセンタードケアで大切なことです。「認知症」の症状に合わせたケアではなく、「人」として捉えるとケアの可能性が広がります。
認知症を理解しなくても、認知症介護が出来ていた時代から
認知症を理解するからこそ、認知症介護か出来る時代へ認知症ケアの歴史は変わってきています。
認知症が病気であることは、みなさんご存じかと思いますが、少し考えてみて下さい。
●「皆さんは、右半身麻痺の方に、右手で食事をしなさい!と言ったことがありますか?」
そんな人はいないと思います。では、
●「皆さんは認知症の方に、何度言ったらわかるの!さっきも言ったでしょ!などと言ったことがありますか?」
これは私にはありました。ですがこの二つの言葉は、実は同じことであり、どちらも脳機能の障害で、目に見えるものか、見えないものかの違いだけなのです。
障害が目に見えると、配慮した支援が出来ますが、認知症の基本症状は目では見えない。だからこそ症状を理解した上での支援が必要となってきます。私たちは知らず知らずのうちに、問題行動を作り出してしまっていることがあります。たとえば、先ほどのような声かけも誘発原因の一つになります。
もちろん原因を作りたくて作っているわけではありませんが…不快感や焦燥感、ストレスや身体不調・被害感や不安感などが、問題行動の出現原因となります。これらの外敵刺激に対抗するために拒否や不眠、異食や被害妄想、暴言や徘徊や不潔行為などの行動を起こすのです。ですので、全ての行動には必ず何かの原因があると考えてください。
「これまでの認知症ケア」(ネガティブケア)では
問題行動自体に着目し、どうやって「その行動をなくすかを考えるケア」を行ってきました。
例えば、徘徊であれば立ち上がらせない、歩かせない
物盗られ妄想では否定する、相手にしない
夜間の不眠なら日中の活動量を増やし疲れて寝てもらう などという対応でした。ですが「これからの認知症ケア」(ポジティブケア)は
起こっている原因を探りその原因にあった対処を考えていくケアという考え方であり、 徘徊される方は、歩きまわる目的を探る(トイレや、帰るためのドアを探しているなど)
物盗られ妄想があるなら、まわりの環境整備、そのものが示す意味(なぜそれが無いと不安なのか)夜間の不眠が続くなら、眠れない理由(不安、環境変化、身体不調などがないかを探る
そしてその原因を対処するための方法を検討します。これからの認知症ケアでは入居者の立場に立ち、その方のことを十分に知るためのアセスメントが大切になります。
また認知症の方を理解するためには、その人の「生活史」「生活歴」や「性格」を理解することが大切です!
一人一人の生活習慣を把握しておかなければ、その方にあったケアが出来ずに、その人を混乱させてしまうことにつながります。また、その方にとって適切な生活環境を提供できれば問題行動の軽減にもつながります。一人一人違うということ、その方にあった対応や声かけを行うこと
は当然のことであり、そのためにも、その人を捉えることが重要なことになります。
その人を捉えるためには その人に「関心」を持ちその人の「立場に立って想像」し
その人の「声に耳を傾け」 その人の「姿・行動に着目」し 直面した言動に惑わされず、「真意を考えて見る」 このことが大切です。
私達は毎日毎日生活しています。
「生活」とは自分の意志で暮らしていくことで、ただ単に生き、毎日を送っていくだけでなく自発的に、目的を持って社会と関わりながらその人らしく生きていくことだと講師は言いました。その「生活」を送っていただけるかどうかも私たち次第です。
内容の報告はここまでですが、先に補足をさせていただくと、現在は問題行動という言葉は使われず、BPSD、認知症の行動心理的症状と呼ばれています。今回の報告ではわかりやすいように問題行動という言葉を使わせていただきました。
今回の研修で学んだことは、基本的なことも多く、初心に戻って自分を見直す機会でもありましたが、それ以上に日々の関わりの中で自分が行っている介護は、認知症の方にどういう影響を与えていたり、どのような関わりを持てばいいのかなど、自分のユニットの入居者を思い浮かべながら問題を解決するための材料をもらった部分もありました。
今回、自分が日々認知症介護で困ったり悩んだりしていることを自己課題とし、それを改善するための自施設実習を行いました。
私はその時気になっていたHさんの帰宅願望への対応を自己課題としました。
Hさんは入居され半年たってもやはりショート利用時と変わらず夕方になると帰宅願望を強く訴えられており、私は先入観から「話を聞いても、どんな対応をしても納得されない」と、実習の結果は出ないと思っていました。
研修中に講師より、先入観の怖さを学び、新たな目でその方と関わること、帰りたい原因は他にないのか、リロケーションダメージではないなら、その場所がその方にとって居心地のいいものではないから帰りたいと思うのではないか、との助言を受けました。そこからHさんとの関わりを見直し、もう1度しっかりHさんのことを見てみようと思いました。
今まで何に対しても興味を示されないと思っていたHさんが、実は家人とボールやしりとりで遊んでいたり、あんまをしてくださる時には優しく笑いかけてくれたり、体操では大きな声で歌を歌っていたりすることがわかりました。
スタッフもそのような対応で関わりを持ち、関心を増やすことで笑顔が以前より増え居心地のよい環境が作れたのか、少しだけ帰宅願望も減ったように感じました。
認知症だから仕方ないと、その方を理解することを諦めてしまうことで、何も見えなくなってしまうということが、今回のこの研修で学んだ一番のことでした。
認知症高齢者にとって生活環境はとても重要なものですが、施設の入居者にとっては自分もその環境の一部であることを自覚して、自分が関わる方たちにそれぞれの手応えのある生活を送っていただけるような関わりを持って行きたいと思います。
△ PAGE UP




